個人向け国債に関するQ&A(改訂第2版)
平成17年11月18日 日 本 証 券 業 協 会
Q1.顧客からの「募集に係る申込書」のような書面は不要という理解でよいか。 A: 「募集に係る申込書」の受領は義務付けられておりません。
ただし、取扱機関において、応募事務の際に本人確認(個人であることの確認)や、応 募者から応募払込代金の払込みを受ける必要があるので、その点を確実に行うよう留意す る必要があります。
Q2.基準金利は、募集期間開始前に決定しているという理解でよいか。
A: 発行日の 30 営業日程度前に、日本銀行から通知を受ける個人向け国債の募集取扱いに関 する要項に、発行条件や日程等が記載されており、その中に変動・10 年の初期利子適用利 率が記載されています。また、固定・5 年の利子適用利率については、発行日の 25 営業日 程度前に別途日本銀行から通知されます。
変動・10 年の個人向け国債については、発行月の前月初旬に行われる 10 年固定利付国 債の入札日に初回基準金利が決定するため、同日付で財務省ホームページに初期利子適用 利率(基準金利−0. 80%、ただし利率の下限は 0. 05%)が公表されます。また、固定・5 年の個人向け国債については、発行月の前月上旬に行われる 5 年固定利付国債の入札日に 基準金利が決定し、同日付で財務省ホームページに通期の適用利率(基準金利−0. 05%、 利率の下限は 0. 05%)が公表されます。
Q3.発行時における経過利子の税相当額については、非課税の場合と課税の場合で異なる取 扱いが必要となるのか。
A: 現行の利付国債と同様に、非課税・課税の別に応じて募集に係る経過利子の額を算出す ることになります。
Q4.応募額の報告後から払込期日までに、顧客からのキャンセルが発生した場合にはどのよ うな対応をとるのか。
Q5.新規記載又は記録を行う際、非課税分と課税分を併せて、自己口Ⅰで新規記載又は記録 を行うような取扱いは可能か。
A: 個人向け国債を顧客口座に振替える前に、いったん、自己口に新規記載又は記録を行う 場合には、非課税分は自己口Ⅰにおいて、課税分は自己口Ⅲにおいてそれぞれ新規記載又 は記録する必要があります(「国債振替決済制度に関する規則」第 14 条参照)。
Q6.中途換金に係る経過利子相当額の計算において、非課税の場合と課税の場合で異なる取 扱いが必要となるのか。
A: 中途換金に係る経過利子相当額の取扱いについては、国債権者が課税者であるか非課税 者であるかを問わず、下記の計算式により算出されます(「個人向け国債の発行等に関する 省令」第6条第5項及び第7条第4項参照)。
経過利子相当額= 額面金額 × 中途換金日の適用利率(=今期適用利率)(%)/100 × 直近 利子支払期から中途換金日までの日数〈片端入れ〉/365(円未満切捨)
Q7.顧客の中途換金に応じる際に中途換金申込書のような書面は不要という理解でよいか。 A: 中途換金申込書のような書面の受領は義務付けられておりません。必要に応じ、各社で
作成するなどの対応をお願いいたします。
ただし、取扱機関において、中途換金申込日、中途換金日、回号、中途換金額(中途換 金請求する額面金額、経過利子、中途換金調整額を含む。)等の把握が必要になるほか、口 座名義人が死亡した場合又は大規模な自然災害により被害を受け、変動・10 年を第 2 期利 子支払期前(発行後1年未満)、固定・5 年を第 4 期利子支払期前(発行後 2 年未満)に中 途換金する場合には、それぞれ公的機関が発行した証明書等
( 注)
の提出を受けることが必要 になる点に留意する必要があります。
( 注) 口座名義人死亡の場合・・・相続人たる地位を証明する書類、被相続人の死亡を公的機関が証明した書類そ
の他の必要な書類(個人向け国債の発行等に関する省令第 7 条第 2 項)
災害救助法による救助の行われる災害にかかったとき・・・当該災害が発生した市町村の区域に居住してい
ることを証明する書類、当該災害にかかったことを公的機関が証明した書類その他の必要な書類(個
人向け国債の発行等に関する省令第 7 条第 3 項)
Q8.大規模な自然災害により被害を受けた顧客の特例中途換金において必要とされる、「当該 災害が発生した市町村区域に居住していることを証明する書類」及び「当該災害にかかった ことを公的機関が証明した書類」とは具体的には何か。
送付を受ける一般的な本人確認書類が対象となります。
また、「当該災害にかかったことを公的機関が証明した書類」とは、災害救助法(昭和 22 年法律第 118 号)が適用された地域に居住する個人向け国債の保有者が、同法が適用さ れた自然災害により被災した場合に全国の地方自治体より罹災を証明する書類として交付 されるものであり、一般的に「罹災証明書」・「罹災届出証明書」(以下「罹災証明書等」と いう。)などが対象となります。
なお、罹災証明書等には当該被災者の住所が記載されることから、口座開設時に金融機 関へ提示した本人確認書類に記載された住所と、罹災証明書等に記載された住所が一致す る場合には、中途換金の特例の申込時における本人確認書類の提示は不要です。
災害救助法の適用地域については、厚生労働省(社会・援護局)及び各都道府県のホー ムページ等において随時公表されています。
Q9.大規模な自然災害により被害を受けた顧客の特例中途換金において、当該顧客から提出 される罹災証明書等は原本のみを有効とするのか。また、罹災証明書等の真贋の確認はどの 程度必要か。
A: 地方自治体が発行する罹災証明書等は原本だけでなく、写しによることも可能です。 また、罹災証明書等の真贋の確認については、罹災証明書等は、特定の法令等に基づく 名称や定型の様式がないことから、各自治体ごとに作成される様式に則った形式要件とし て、罹災の事実の確認を行っていただければ足ります。
Q10.中途換金に当たり、取扱機関が日本銀行に対し売渡申込を行った後に額面の誤入力等が 判明した場合、訂正等は可能か。
A: 日本銀行に対して行った売渡申込は訂正できません。万が一、売渡申込の内容の過誤が 判明した場合には、当該売渡申込を取下げたい旨を、速やかに日本銀行に申出る必要があ ります(売渡申込日当日中に取下げを行った後、当日中に改めて正当な売渡申込を行えば、 実質的に訂正と同様の処理を行えることとなります。)。
取下げにかかる具体的な締切時刻は定められていませんが、タイミングによっては財務 省及び日本銀行の事務処理に多大な影響を及ぼすこととなりますので、判明次第、速やか に連絡を行うことが必要です。ただし、必ずしも取下げが受理されるとは限らないことに 御留意下さい。
Q11.「個人向け国債の発行等に関する省令」(平成 14 年財務省令第 68 号)第6条第3項にお いて、「取扱機関は、(個人向け国債の買取りの)請求を受けたときは、遅滞なく、当該個人 向け国債を買い取り、日本銀行に対して当該個人向け国債の買取りを請求するものとする」 旨が定められているが、同条の「遅滞なく」にはどのようなケースが該当するのか。 A: 今般、本協会より財務省に対し、「中途換金に当たり、例えば、取扱機関は顧客からの買
内容を確認し、万一過誤がある場合には当該顧客の異議申出により、取扱機関と顧客が協 議のうえ対応を行う』ための日数が経過した後、日本銀行への売渡申込を行うことは『遅 滞なく』に該当すると解してよいか」との照会を行ったころ、そのように解して差し支え ないとの回答を得ております。
取引報告書の送付及び顧客の異議申立に備えた取扱機関の待機にかかる所要日数を踏ま えれば、顧客の買取請求日から日本銀行への売渡申込までの期間としては、通常5営業日 程度を要すると考えられます(下図参照)。日銀ネットを利用せず、「国債売渡申込書(個 人向け国債中途換金用)」を郵送する場合には、さらに当該日数が加算されることとなりま す(国への中途換金日は現行の「売渡申込日+2日」となります。)。
※ 概念図
Q12.平成 15 年財務省告示第6号において、個人向け国債を譲渡することができる者として、 「中途換金の請求に応じる取扱機関(当該請求に係る個人向け国債を買い取る場合に限る。)」 等が規定されているが、同告示は、証券会社等における中途換金処理について過誤による過 大売却等が判明した場合に、顧客の当該個人向け国債の保有残高の全額又は一部を回復する ことを妨げていないと解してよいか。
A: 平成 15 年財務省告示第6号では、個人向け国債を譲渡することができる者として、中途 換金の請求に応じる取扱機関(当該請求に係る個人向け国債を買い取る場合に限定)等が 規定されていますが、今般、本協会より財務省に対し、「個人向け国債の中途換金の請求に 応じる取扱機関において過誤による過大売却等が判明し、かつ事故として処理を行うとき には、当該取扱機関が当該顧客から買い取った個人向け国債を用いて、顧客の同銘柄の保 有残高の全額又は一部を回復することを妨げないと解してよいか」との照会を行ったとこ ろ、当局より、「事故処理を行うに際し、当該顧客から買い取った同銘柄の一部又は全部を 売り戻すことにより原状回復を行うことは差し支えない」との回答を得ております。
なお、顧客との受渡履行前かつ日本銀行に売渡申込を行う前に過誤による過大売却等が 判明したときには、顧客との約定内容を訂正することも可能です。
7 (月) 8 (火) 9 (水) 10 (木) 11 (金) 14 (月) 15 (火) 16 (水)
T T +3 T +5 T +7
顧客と 取扱機関
取引報告書
(顧客に送付)
顧客が取引報告書の内容を確認
顧客の異議申出に備え待機 取扱機関と
日銀(国)
「個人向け国債 売渡申込」の
入力等
顧 客
約定日
顧 客
受渡日
国への 売渡申込日
国への 中途換金日
顧客からの
Q13.債券先物取引の取引証拠金や信用取引の委託保証金等の代用有価証券として利用できる か。
A: 日本銀行が国債振替決済制度において債券先物取引の取引証拠金や信用取引の委託保証 金等の代用有価証券を記載又は記録するために設けている専用口(分別管理口)は、内訳 区分が自己口Ⅰおよび自己口Ⅲ(保有欄)のみであるため、所有権が移転する譲渡担保方 式をとることのできない個人向け国債は利用できません。
譲渡担保方式ではなく、質権設定方式により代用有価証券として受け入れることは可能 ですが、その場合は質権を行使する際に口座管理機関が譲渡を受けられないこと、及び現 行の信用取引口座設定約諾書等が譲渡担保方式と解されるため、契約書等の見直しが生じ ることに留意する必要があります。